2018.9.23

連休中は昼夜が逆転する。

こういう時ぐらい世間とずれた生活をしても許されるだろう。

しかし一応は布団に入る。

が、やはりiPhoneを触るので寝る気は一切ない。

 

午前4時。

ふと、京都に行こうと思った。

具体的な目星は2カ所あって、弾丸日帰りならちょうどよかったし、

9時の電車に乗れば十分回れる様だった。

 

だいたい、私が旅行に行くのは

抜け出したい願望があるときだ。

 

20代前半なら、誘えばついてきてくれる友人もいた。

しかし28にもなると状況は変わる。

 

抜け出したい願望はあっても、現実問題、抜け出せるわけがないと

分かっていながら、アホな行動をどうしてもとりたかった。

20代前半の頃のように弾丸で旅行したところで、当時のような感動も

すっきりする感覚も、もう生まれないと分かっていた。

 

 

この記事を書くのは、この弾丸旅行をした2日後の朝5時。今日から仕事だ。

数年ぶりにFBに写真を投稿した。1日しか会った事のない人から反応をもらえてうれしい反面、旅行好きの友人からの反応はまだ確認できていない。

一言と写真2枚程度のどうでもいい内容だ。反応してくれる方が希有だ。

こう、友人をふるいにかける行動はよくないと分かっている。

 

話を戻す。

京都に行き、最初に向かったのは

嵯峨美だった。美術作家の大槻香奈さんが最近気になる存在で、

学生さんと展示していると情報を得ていたので行ってみた。

受付に学生さん2人、来客は私一人というタイミング。

 

学生さんから私はどう見られているのだろう。

近所のおばさん?同じ学生?画家?

どれも違う。

そもそも、画家や美大学生は見に来る人に興味を持つのだろうか。

太客になり得る人のみだろうか。モチーフによっては

人の行動をじーっと観察していたりしないのだろうか。

 

私は美大卒でも画家でもない。ただ趣味で落書きをしている程度。

子供の頃、最初に描いた夢が画家だっただけであるが、

こうやって死ぬまで、自分が画家の道を選んでいたら。と

あるわけもない影を追い続けるのだろう。

 

割とすぐ出て、三千院に向かった。

嵐山は観光したことがなかったが、連休中とあって人が多かった。

 

ローカルなパン屋でパンを買い、バスの中で食べる。

乗り継ぎ1回なのだが、2本目のバスは30分遅れで着いた。

すでにバスのいすは埋まっていて、バスの前半分は立つ人で占めていた。

 

4駅ぐらい過ぎたところで座れた。

新しく乗る人で人が奥に流れ、私の隣に立つのは小学生2人組。

座った私と、立っている小学生の顔は同じ位置にあった。

 

顔ちっさい、

肌つやが羨ましい、

自分の子でもおかしくない。

 

そんな思いがわき出てきて、強く自分が年齢を気にしていることが分かった。

 

そんなことはつゆ知らず、小学生たちはゲームの話に夢中だった。

でも会話の節々に”まな板”という単語が出てきたので、笑ってしまった。

私に女性的な曲線がないからだ。自分のことを言われたような気がしたのだ。

26歳の時は今より髪は数センチ長かったはずだが、同性に性別はどっちか

尋ねられたことがある。大学生時代からもそうだ。接客のバイトで

後ろからお兄さんと呼ばれたことは多々ある。

 

そうこうしていると小学生はバスを降り、私も寝た。

バス停から三千院までは歩いて10分弱。

坂道だが川が流れる音と澄んだ空気でつらくはない。

 

庭をみて少し瞑想をする。

やはり観光客が多くてすこし賑やかだった。

 

本堂?をでて、敷地内を歩く。

手入れされているのだろう。見事な苔と木々。

曇り空も相まって、より神秘的だった。

 

学生時代、寺社巡りは結構していた。

でも頑なに御朱印帳は作らなかった。

スタンプラリーでもないのに集めてどうするんだ。という思いがあって。

なのに今回、何を思ったのか作ってしまった。

 

ただ、独特な動きで描かれる御朱印は見ていて楽しい。

そして何種類か選べるのが困った。

秘仏、国宝などと補足があるが何のことやらさっぱり分かっていない。

文字のかっこよさで決める愚鈍さを許してほしい。

 

かわいい地蔵も何体かあった。

 

三千院を出て、音無の滝へ向かった。

歩いて10分強。もちろん坂道だ。

普段、会社と家の往復かつオフィスワーカーな私にとって

結構しんどい。

 

しかし森の中を歩くのはすごく気持ちいい。

 

ちなみに音無の滝は、音がないわけではない。

声明法師が仏教音楽の練習をしていて、はじめは滝の音で声が聞こえなかったが

次第に声と滝の音が調和し、ついには滝の音が消えて、声のみが聞こえるようになったことから、音無の滝と呼ばれるようになったらしい。

 

すぐ坂を下りる。

バスを待つ人が多かった。

満員ぎみで出発。

 

目の前に座る男性は、バスケの試合の動画をみて、

隣に立つアジア系の男性は窓から見える景色を動画に納めていた。

 

動画を撮っている男性はバス停に着くと動画を止めた。

グーグルマップで停留所をみて次にどの区間を録画するか決めていた。

うれしそうに顔を綻ばせて。

 

 

1時間ほどで座れた。

だいぶ疲れたのか、すぐに寝た。

 

帰りの新幹線。

初めて駅弁を買った。牛めし

贅沢な旅をした。

 

帰ったのは21時頃。

12時、自然とまぶたが重くなり、

めずらしく簡単に眠れた。